ロンドン・パリ旅行記
2006/9/21〜9/28 

新婚旅行、彼の希望は「大英博物館」。私の希望は「ルーヴル美術館」でした。
その二つを回るツアーを見つけて参加して来ました。
苗字が変わって初の海外旅行。
旅行先で人の本性がわかる・・・とは良く聞きますが、果たして彼の本性は如何なものでしょうか。
ていうか、私の本性、どこまで隠せるか(既にバレてる気もしなくもないですが)。

●9月21日●
12時前に飛行機に搭乗。
約12時間の空の旅。やっぱり長いなぁ・・・。
飛行機の中では寝付けず、ひたすらゲームしてました。
今回はJAL機だったのですが、設備がすごいですね。
各自の席に画面があって、映画もゲームも思うがまま。
『ダヴィンチ・コード』を観た後、延々「上海」やってました。3勝21敗くらいだったかな。
疲れました。

現地時間16時頃にロンドン・ヒースロー空港へ到着。
荷物検査等受けてホテルへ。
日本との時差は9時間。
飛行機の中で寝た人も寝なかった人も、ばたんきゅうでベッドで眠りました。


●9月22日●
午前中は早速ロンドン市街観光へ。
まずビッグベンの愛称を持つ時計台のある国会議事堂へ。

ビッグベンの大きさもさることながら、続く英国国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)のゴシック建築の荘厳さが素敵。
残念ながら天気があまりよろしくなくて写真はちょっと暗いのだけど、ほんとはくすんだ黄金色のようで綺麗でした(^^)。

続いて大英博物館へ。

彼のご希望でもあり、私も興味のあった場所。
入ってすぐに古代エジプト文明の遺産、巨大な胸像やレリーフがぎっしり並んでました。
中でも有名なロゼッタ・ストーンは必見でした。
続く部屋に古代中東の遺跡。アッシリア帝国のレリーフ等。柔らかい土だからといってあれだけ彫り込むのはすごいなぁ。
そしてギリシア&ローマ。古代アテネのパルテノン神殿の彫像がそのままこの地に移動してました。
・・・ほんと、蒐集の仕方が半端無いわ(^^;)。
  

最後に大英のメインとも言うべきエジプトのミイラ・棺の部屋へ。
大英博物館展が開かれる度、必ず一つはメインとして展示されているのを観てきたのですが。
本家にはこんなにあったのか。棺だけでも30体くらいあったよ・・・。

そして棺から出されたミイラも展示してあって。少し怖かったのですが。
・・・思いがけずミイラになってしまったというのまで展示されてて。
寒かったです。
彼が写真撮ってたけど、祟られそうなのでさくっと削除してやりました。

大英博物館を後にし、バッキンガム宮殿へ。
ほんとはここで衛兵の交替式を見る予定だったのですが、雨が本降りになった為、敢えなく中止。
遠目に赤い服に大きな黒い帽子の衛兵さんを見るに止まりました。

ここで午前中の観光が終わり。午後からはフリータイム。
昼食の後、二人でナショナルギャラリーへ。
レオナルド・ダ・ヴィンチの“本来の”『岩窟の聖母』の前はすごい人だかりになってました。
・・・そして、確かに聖母マリアの手が怖いなぁと思った(^^;)。
あと印象に残ったのは、ジョージ・スタッブズの『ホイッスルジャケット』という等身大の馬の絵。
今にも額縁から飛び出して来そうなくらいリアルなのに、その背景はあまりにシンプル。そのギャップにびっくりしました。
いろいろ世界中の巨匠の絵が見れて良かったのだけど、ゴッホの『ひまわり』やモネの『睡蓮』の展示室が閉鎖されてて見れなかったのは残念でした。

ナショナルギャラリーを出て、再び大英博物館へ。
所蔵品数700万点というこの博物館、午前中はガイドさんに連れられてメインを見ただけなので。
せっかくだから二人でゆっくり見ようという事になったのでした(^^)。
大きい博物館なので、二度行っても見切れない場所もありましたが、概ね満足♪
ちなみにロンドンの国立の美術館・博物館はすべて入館無料との事。だから何度行ってもタダ。
太っ腹だなぁ。

大英からキングス・クロス駅まで歩いて行き、ハリポタで出てくる9と4分の3番線プラットホーム(っぽい場所)で記念撮影。

そしてホテルに戻りました。


●9月23日●
本日は昔ながらの村が点在するというコッツウォルズ地方へ。
まずボートン・オン・ザ・ウォーターという村へ。
石造りのこぢんまりとした家、蜂蜜色の壁、庭に咲くかわいい花々、小川のせせらぎ・・・。
のどかな田園風景が広がってました。


その他の村も皆そんな感じ。ロンドンが東京のように近代的なビル街だったので、ようやく海外に来たという気分になりました。
道の両側には羊や牛、馬が放牧されてて、ほんとにのどか。
お昼はマナーハウス(領主の館)という所でキッシュを頂いて。
夜はロンドンに戻り、パブでフィッシュ&チップス。
ロンドンの名物を頂いて、あっという間にイギリス最後の夜となったのでした。


●9月24日●
早朝出発してウォータールー国際駅へ。ユーロスター発着駅で、ここからパリに向かうのですが。
このウォータールー、フランス語の発音ではワーテルロー。
つまり、イギリス・オランダ連合軍がナポレオンT世率いるフランス軍を破った事で有名な、ワーテルローの戦いがあった地。
このフランスにとって嫌な場所が、イギリスとフランスを結ぶユーロスターの玄関口。
ガイドさんが「嫌みな人種ですね〜」とおっしゃいました。ほんとだよ。

さて、ユーロスターに乗ること3時間。
無事ドーヴァー海峡を越えてフランス・パリへ。
お昼にモンマルトル付近で美味しいエスカルゴを頂いて、そしてパリの市内観光。
ノートルダム寺院、ポン・ヌフ、オルセー美術館、コンコルド広場、シャンゼリゼ大通り、そして凱旋門を一気に車窓観光。
シャイヨー宮で一度降りて、エッフェル塔を望み。
 

最後にルーヴル美術館へ。

ここは私が行きたかった所。長年の夢が叶いました♪
ただし所蔵点数約30万点、端から端まで歩くと十数キロという、本来宮殿だっただけにだだっ広く。
今回はガイドさんの案内でメイン数点を見て廻る事になりました。
まずドゥノン翼1階のミケランジェロの『囚われの身・瀕死の奴隷』という彫像へ。
苦悩し歪んだ表情、均整の取れた肉体・・・は素晴らしいのですが。
当時の奴隷がこんな立派な肉付きかい、と思わずツッコミ入れてしまいました(^^;)。

次にドゥノン翼2階に行き、まずウジェーヌ・ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』と『サルダナパールの死』。
自由を目指す民衆と女神の躍動感と、王の敗北に際し殉じ果てていく女達の一瞬。2枚の絵の凄さに息を呑みました。
次いでジャック・ルイ・ダヴィッドの『ナポレオンT世の戴冠式』。
布の質感・法王の視線などリアルなのに、本来いないはずの人が描かれている虚構。不思議な感じがしました。
そして今回一番すごいと思った絵、テオドール・ジェリコーの『メデューズ号の筏』。
希望と絶望。絵を見てるだけなのに彼らのパニック状態にシンクロしてしまって、心臓の鼓動が早まりました・・・。
バオロ・カリアーリの『カナの婚宴』に続き、最たるメインのレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』。
小さな絵。だけど、水墨画のような手法の遠近法、左右非対称、不思議な微笑・・・。怖い、と思う絵でした。
最後に同じダヴィンチの『岩窟の聖母』修正版。
あぁやっとヨハネが聖人に見える・・・て感じの修正でした(^^)。

絵画はそこまで。彫像では私が一番見たかった『サモトラケのニケ』へ。

ヘレニズム時代の最高傑作と評される彫刻。
力強い翼に翻る布、前へ踏み出す右足。とても美しくて・・・素敵でした♪

最後にシュリー翼1階の『ミロのヴィーナス』へ。

均整の取れたプロポーションとゆったりとした微笑。こちらも素敵(^^)。
ここでルーヴル終了。ほんとに眼福でしたvv

夜はムール貝など頂いて。満足しつつ、翌朝早いので早めにベッドに入ったのでした。


●9月25日●
本日は文豪ヴィクトル・ユーゴーが「海上のピラミッド」と称したとされる、世界遺産モン・サン・ミッシェルへ。
このモン・サン・ミッシェル、車でパリから約5時間という場所にありまして。
往復10時間と現地での観光2時間の、全部で12時間かかるコース。
そんな訳で昨日に引き続き早朝出発。当然の事ながら、バスの中は静かに寝息だけが聞こえておりました。たぶん。

途中レストランに立ち寄って、昼食にモン・サン・ミッシェル名物のオムレットを頂きました。
・・・ほんとに泡だらけのオムレツ。ていうか、敢えて表面を破いて泡を出しているそうな。何故。

再びバスに乗り込み、遙か遠くに見えた三角形の島が徐々に近づいて来て細部まで見えるようになって。
そして昼過ぎようやく到着。

ほんとにピラミッドみたいな形です。
周囲は一面干潟。
満潮時には沈むと言われる駐車場にバスを停め、やはり満潮時には出入りできないと言われる王の門をくぐって中へ。
この島は、大天使ミカエルに捧げて造られたフランス随一の巡礼地ではあるものの、かつては対イギリスの為の要塞でもあったそうで。
当時の投石する為の穴なども見られました。

石畳の階段を昇り、島の最上部にある修道院へ。
 
この修道院は8世紀に造られた小さな聖堂から始まり、11世紀から増改築を重ねて13世紀にほぼ現在の形になったそうで。
おかげでゴシック様式やロマネスク様式などがごちゃまぜにまってしまい。
この上の二つの写真。
同じ聖堂の入り口と正面な訳ですが、とても同じ場所とは思えない状態になっておりました。

おまけに15世紀には閉鎖されて要塞になり、18世紀には牢獄として使用されてて。
そういう、修道院とは思えない場所があちこちに見られました・・・。

ちなみに、最初の聖堂部分がこちら。↓

簡素だけど、一番信心に訴える部屋だなぁと思いました。

短い観光時間ではあったものの、修道院のいろんな面が見れて面白かったです(^^)。


●9月26日●
午前中はフランス宮廷文化黄金期に約半世紀をかけて建てられたという、フランス観光の代表スポット、ヴェルサイユへ。
広い、とは聞いていたものの。
庭園だけで地平線が見られそうな感じ。どこからどこまでが庭園なのか聞きたい。

ちなみに中央奥まで続く運河も庭の一部だとか。

短い時間での観光の為、庭園をさくっと散策した後ヴェルサイユ宮殿内へ。

中に入った途端、きらきら輝く金色の世界。
壁の隅から隅まで金で縁取られ、天井は素晴らしい絵画で埋め尽くされ、柱や壁には最も高価とされる赤色の大理石が惜しげもなく使われて。
当時貴重であった織物が壁一面に掛けられて、水晶や紫水晶のシャンデリアがきらきらと光を放っていて。
そこに歴代の王や王妃の肖像画、塑像が置かれている。
なんつーか、そこまですると圧巻。
いくつも部屋を巡る内に段々感覚が麻痺してきて、そこにあるのが純金であるとか気にならなくなってしまいました・・・。

そして有名な鏡の間。↓

鏡はガラスより加工が難しい為、当時高価だったとか。
それが一面にずらりと並び、金で縁取り、天井画がひしめき・・・。
すごかったです。

午後からはお買い物をして少しお茶をして。
夜はイルミネーションツアーに参加。
トロカデロ広場 ・モンパルナスタワーの56階展望台レストランで食事しながら夕景のエッフェル塔を望み、食事の後バスに乗り込んで市内観光。
オペラ・ガルニエ、コンコルド広場、シャンゼリゼ通り、凱旋門・・・そしてシャイヨー宮からのエッフェル塔。
昼間と違ってライトアップされた数々の名所はとても綺麗でした(^^)。
 → 
特にエッフェル塔は夕方から0時くらいまでの間、1時間に10分だけ2万個の電球が点滅するイベントがあって。
真っ白に煌めく姿も綺麗でした♪
このイベント、2000年に21世紀に入った記念として始まったらしく、10年間続けられるとか。
あと4年。偶然間に合いました(^^;)。

ぐるりと巡ってアンヴァリッドの前でツアー終了。
最後の夜、綺麗な思い出作れて良かったです♪


●9月27日●
新婚旅行最後の朝、再びルーヴル美術館へ。
あまりに広すぎる為に、大英の時より更に絞られた数点しか見れなかったので。
せっかくだからもう一度二人で見に行って来ました。

まずツアーでは全く行かなかったリシュリュウ翼へ。
クロード・ジュレの『夕日の港』などを見て。
シュリー翼3階にあるジョルジュ・ド・ラ・トゥールの『大工の聖ヨセフ』の前へ。
この絵、一番観たかったんです。
蝋燭の火で浮かび上がる老人と子供の横顔、澄んだ瞳。かざした手から灯りが漏れる、その暖かい色。
ほんとに素敵な絵。全体的に暗い色なのだけど、ぬくもりを感じました。
そしてジャン・アントワーヌ・ヴァトーの『ジル』。
引退する前、最後の舞台直前の道化師の姿。
疲れたような、安堵したような、淋しいような、自然体であるような・・・不思議な表情。見とれてしまいました。

それからシュリー翼1階のエジプト美術、古代ギリシャ美術、ドゥノン翼2階のイタリア絵画などを観て廻って。
リシュリュウ翼2階のナポレオン三世の居室にも入って。・・・一瞬まだ自分がヴェルサイユにいるような錯覚を覚えつつ。
そろそろ集合時間近くなったので、ルーヴルを後にしたのでした。
まだまだ見ていない物もたくさんあるけども。
自分達の足でゆっくりいろいろ見れて、ちょっと満足しました(^^)。

ホテルで集合してバスに乗り込み、空港に到着。
ロンドンの空港を経由して帰国となりました。


●9月28日●
一路日本へ11時間空の旅。
行きと違って空席が多かったので、贅沢に3席を二人で分ける事に。ゆったり座われて良かったです。
ロンドン・パリ旅行の思い出を胸に、たくさんのお土産持って帰国。
なんとか仲良く旅行できて良かったです(^^)。
お疲れ様でした♪


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