UK/Japan(日英同盟110周年記念日) 「なぁ、日本、ちょっと根詰め過ぎじゃないか?」 「いいえ、今が踏ん張りどころなのです。今やらないで何時するんですか」 「いやでもお前、目の下の隈すごいぞ・・・どうせ全然寝てないんだろう?少し寝ろよ、時間になれば起こしてやるから」 「嫌です」 「おい・・・」 「嫌です。私が今休めば、私の身体は確かに楽になります。でもその代わりに私を待っていてくださっている方々を失望させてしまいます。私はそれは絶対に嫌なのです・・・っ」 「そうは言ってもお前そんなんじゃいつか倒れるぞ?倒れて間に合わないんじゃ意味ないだろ」 「終わらせてから倒れます。心配ご無用です」 「倒れる前提で話するなよ・・・。つうか心配するに決まってんだろ」 「・・・どうして?」 「は?」 「どうして心配するんですか?私などどうせ100年以上前に同盟結んだだけの相手でしょう?現在の日英両国の関係は友好的とは言え、他国に比べて特に緊密な関係ではないでしょう。私が風邪を引こうが倒れようが別に構わないのではありませんか?」 「――それ、本気で言ってんのか?」 「違うのですか?」 「お前のこと、どうでも良いなら俺は今日此処に来てないぞ。平日に海を渡ってお茶飲みに来る程俺が暇だとでも思ってんのか?」 「では、私は貴方にとって何なのでしょう?」 「え?いやそれは――その・・・だな・・・」 「はい、何ですか?」 「えっと・・・だから、その・・・」 「はい?」 「だ、だから・・・っ、・・・・・・と」 「と?」 「・・・と・・・・・・」 「と」 「・・・・・・ち」 「とち。土地?あぁ、栃餅があるのでした。ちょっとお待ちくださいね」 「え、日本・・・?」 「お茶も淹れましょうね」 「い、いや待て日本・・・っ」 「はい、なんですか?」 「え?」 「私は貴方にとってなんなのですか?」 「・・・・・・っ、ともだち、だよ!!お前、性格悪いぞ・・・っ」 「ふふっ、いい加減私に対しては素直になってくださってもよろしいと思うのですが・・・ねぇ?」 「毎年こうやって俺をいびってお前楽しいのかよっ!」 「毎年そうやって言い難そうにしながらも最後には貴方は絶対おっしゃってくださるからです」 「・・・・・・っ」 「ね?」 「くっそ・・・110年前のお前はもっと・・・」 「素直でしたかねぇ?」 「いや、あんまり変わらねぇな」 「ですよねぇ?」 「ったく、それ、いつまでに終わらせなきゃいけないんだ?」 「あと数ページですけど・・・」 「じゃあお前ははるばる海を渡って来た俺に菓子と茶を持って来いよ。俺と休憩した後また続きすればいいだろ。俺が手伝ってやるから」 「え?手伝ってくださるんですか?」 「でなきゃお前俺の顔すらまともに見やしねぇじゃねぇか。客を放って置くなんざマナー違反だぞ」 「それは失礼しました。そうですね、それじゃ一緒にお茶を頂いて一息吐いてから作業に戻ることにしましょう――ありがとうございます」 「べ、別にお前の為じゃねぇからな!俺がお前の淹れてくれた茶を飲みたいだけで・・・っ」 「はい、あと栃餅も召し上がってくださいね。美味しいんですよ」 「お、おう・・・」 「あれからもう110年ですか・・・また、今年もお付き合いよろしくお願いしますね」 「あぁ、こちらこそ、な」 「にしても日本・・・平日にお前同人の原稿なんざしてていいのか・・・?仕事は?」 「産休を頂きましたから大丈夫です」 「産めねぇだろ・・・」 ――終わり! |