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UK アメリカが好きだ。愛してる。けどこの想いは赦されるものじゃない。ダメだ、こんな気持ち忘れてしまえ忘れてしまえ・・・なかった事に・・・できない。愛しい愛しいアメリカ。一度浮かんだ想いは消えてくれない。抑えつける程に溢れていく。二律背反の想いは苦しくて堪らなかった。また民を裏切っている気がして罪悪感に打ちひしがれる。でも、愛しい・・・。 捨てられない想いなら、せめて表に出してはいけない。求めてはいけない。アメリカへの思いは胸の内に死ぬまで秘めておく。絶対に求めたりしない。だから、ただアメリカの傍にいるだけで満足していた。あいつの真っ直ぐな視線の先に俺がいなくても良かった。くだらないやり取りだけで胸が打ち震える程嬉しかった。それで、本当に満足だった。 なのにアメリカが振り向いた。瞳が語る・・・好きだと。そんなわけない、あいつは自分から離れていったんだ。苦しい片思いに、ついに頭がイカれて都合の良い夢でも見たか。自分で自分を嘲笑う。気のせいだ気のせい。次に会う時はいつも通り、小馬鹿にされて俺が腹を立てて――。 そう思っていたら、キスされた。何でだ、こいつ何してんだ?何で俺にキスなんか・・・。あぁそうか違う違う。きっとこれは事故だ、それとも嫌がらせか何かか?そうかアレだろ欲求不満なんだろ。でなきゃ俺にキスするわけない。大丈夫、わかってる。勘違いなんかしない。 とはいえ予防線を張っておくにこしたことはない。応えられないのにアメリカに想われるなんてどんな拷問だ。それだけは避けなければいけない。そうだ、彼女を斡旋してやろう。あいつ面食いぽいからそれなりの女を用意しなきゃいけないけど、俺の伝手を使えばまぁなんとかなるだろう。女ができれば欲求不満も楽々解消だ。 折角なかなか良い女を紹介できたのに、どうやら怒らせてしまったらしい。あれじゃ不満だったのか?どんだけ面食いなんだよ、高望みにも程があるだろ。それともあれか?お子様にはちょっとばかり刺激が強すぎたのか?もう少し子供っぽい方が良かったか。日本の助言を参考に、色んなタイプを揃えてみる。これでどうだ! ・・・なんだろな、もしかしてこれって俺、告白されてんのか?いや違うよな。足癖悪くて酒癖悪くて料理が下手な女くらいごまんといるよな。いるよな。つうか俺はそんなに料理下手じゃない。そうだ、俺じゃない。なんだ、本命がちゃんといるんじゃねぇか。焦らせるんじゃねぇよ。デートの下見?それくらいなら付き合ってやる。きっちり調べ上げてその女を満足させやがれ。それで俺も一安心だ。 安心?そうだ、アメリカに女ができれば満足だ。満足・・・?なわきゃねぇだろ。俺はそれで失恋だ。あぁくそ胸が痛ぇな・・・。どうせならあの時あいつの頭抱え込んで濃厚なディープキスをかましときゃ良かった。いいだろ、一度きりの思い出作るくらい。それを生きる糧にしたって。その代わり俺は裏切らない。英国の為に生きていく。 その願望があまりに強すぎたのか、アメリカとキスする夢ばかり見るようになった。なんだよマジで情けねぇだろ俺・・・。国の為に生きると決めたのに、夜な夜な愛しいアメリカの唇を思い出すなんて、なんかもうそれ自体が裏切り行為な気がしてきた・・・。浅ましい願望を抱く自分に反吐が出る。ほら、今日も生々しい感触が降ってくる・・・。 リアルなそれに、そっと目を開く。 あああ思い出したくない。思い出したくない。あれからこっち、お互い傷つけ合うことばかりだ。どうしてこんな事になってしまったのだろう。アメリカの気持ちを逸らせなかった。好きだと、言われた。愛してると――。それが心震える程に嬉しかった。そうだ、好きな相手に求められて嬉しくないわけない。だって俺も愛してる。アメリカを愛してる――愛し合いたいんだ。 決意が揺らぐ。でもダメだ、誓いを破るわけにはいかない。受け入れてはならない。こんな想いを抱いちゃいけないんだ、国である自分が。怖い、また間違えてしまう。再び血が流れるのが、怖いんだ――。だからもう、求めないでくれ。 「・・・俺には無理だ、諦めてくれ」 「嫌だよ、そんなの嫌だ、認めないよ!諦められるものならとっくにそうしてるよ!」 項垂れてそう求めると、苛烈な光を宿した瞳で猛烈に抗議された。 「俺なんかのどこに惚れたのか知らねぇけどさ・・・ほんの出来心だろ?最近割と両国の関係良かったもんな、ちょっとばかり脱線しちまったんだろ。そのうち彼女でも作ったら俺への想いなんか呆気なく霧散する。そうすれば今まで通り・・・」 「舐めてんのかい?俺の想いはそんな簡単なものじゃないよ」 きしりと歯軋りの音が聞こえる。相当に苛立ってる。 「でもお前、ほんの数カ月のことだろ?若い時は一気に燃え上がったりするもんな。その代わり忘れるのも早い――」 「数カ月?違うよ。300年だ」 思い掛けない数字を吐き出す。えぇと300年。さんびゃく・・・。 「嘘吐くな」 「嘘じゃないよ」 「有り得ねぇだろ。吐くならもう少しまともな嘘にしろよ」 「どうして嘘だと思うんだい」 胡乱げに眉を寄せて見遣ると。ふん、と鼻を鳴らして高飛車に見下ろしてくる。 「だって300年前って言ったら、お前まだガキだろ」 「そうだよ。君が会いに来てくれた、俺を保護してくれた、あの時だ」 「それは・・・家族愛だろ?今のこの・・・どうしようもない想いとは違うだろ」 「どうしようもなくて悪かったねぇぇぇぇぇっ!!!」 「あ、いや待て、違う、そうじゃなくて・・・えぇと」 うっかり失言して殺気の籠った目で睨まれた。 「俺が君に恋したのは、君が俺に会いに来てくれた時だ。フランスではなく君を選んだのは、既に君が好きだったからだ。もちろん流石に性的な好きではなかったよ、当たり前だけどね。でも家族愛だったかと聞かれると微妙だな。あの頃から君を独占したかった訳だし。あぁちなみに君に性的なものを求めるようになったのは背丈が君を追い越した頃からだよ。つまり独立前だ。納得してくれたかい?」 「・・・・・・」 納得したかと聞かれても、青天の霹靂で頭の中がフリーズしてる。300年・・・マジか? 「そういう君はどうなんだい?いつから俺のことが好きなの?」 「い、いつって・・・」 ヤバい、勝てそうにない・・・いや、こういうのは年数の問題じゃないよな、うんそうだ。 「WW2後だから、50年くらいだよ」 「あっそ」 つまらなそうに言われてカチンと来る。 「そうは言うけどお前だって女と付き合ったりしてたろ!?俺のことそんな長い間真剣に好きだったわけじゃねぇだろっ」 「それは、忘れようとしていたんだよ」 視線を逸らして苦々しげに言う。 「あ?」 「君が・・・俺のこと、憎んでると思ってたから・・・愛してもらえると思えなかったから・・・苦しくて」 瞳を閉じ、心を落ち着かせるように一つ息を吐いて。言葉を継ぐ。 「だから、暗示で想いを消してたんだ」 「・・・へ?」 「でも何度消しても、何度想いを忘れても・・・その度に君に恋するんだ」 そう言って思わせ振りな視線を投げて来る。いや待て、その前にツッコムところあるだろ。――暗示? 「お前、何危ないことしてんだよっ」 「そうかな?おかしな儀式よりはマシだと思うけど」 心配してやれば首を傾げて失礼なことを言う。 「おかしくねぇっ!魔術は神聖な儀式だっ」 「魔と神が同列かい」 「ううううるせぇっ!いや今はそうじゃなくて、暗示とかやって何かあったらどうするつもりだったんだ!」 「ちゃんと調べたし、別に平気だよ」 「でも俺達は人じゃねぇんだし、失敗することだって」 「じゃあもう俺が暗示に頼らずに済むようにしてよね」 拗ねたように口を尖らせる。 「あ?」 「君が受け入れてくれるなら、もう自分で暗示かけたりしないよ」 「そ、それは・・・」 そこに話を持っていくとは思っていなかった。どう誤魔化したものか、言葉が浮かばず言い淀むと。 「君ってさ、狡いよね」 くすりと無邪気に嗤う。 「・・・なんでだよ」 「狡いし馬鹿だ」 「喧嘩売ってんのかてめぇ!」 馬鹿という言葉に思わず反応してキッと睨むと。 「だって諦めろだなんて言いながらそうやって俺を心配したりしてさ。いつだって無防備に近付いて来て傍にいて。放っといてくれれば良いのにあれこれ余計な世話してくれてさ。・・・結局それで俺はいつも君に恋するんだ」 「う・・・いやその、それは・・・」 お前のことが好きだから傍にいたいんだ。でもそれを口にすることは躊躇われて、胸の内で呟く。けれど俺の心中を知らないアメリカは、肩を震わせて唇を噛み締めている。 「・・・俺に好かれるのが迷惑なら放っておけば良かったんだっ!!」 「迷惑なんかじゃないっ!!」 アメリカが吐露する激情に釣られて、思わず口走ってしまった。途端、ぎりっと睨まれる。 「――そうやって、俺の気持ちを弄んで楽しいかい?」 「ち、が・・・」 「夢中にさせるだけさせといて応えないとか、弄んでいるとしか言えないじゃないか」 「・・・・・・っ」 違う、そんなんじゃない、お前を弄ぶとかそんなつもりじゃないんだ。俺はただお前が好きで・・・好きだけどどうしようもなくて・・・。そんな思いさえも口にできず胸に蓄積される。長年澱み続けたそれは重くどす黒くて、今にも心を押し潰しそうだ。言い様のない想いは涙に形を変えて溢れた。 「ほら、また・・・そんな風に君は、俺をたまらない気持ちにさせるんだ」 目を細めて苦しげに言う。手を伸ばして頬を伝う涙を拭うと、俺の目元にそっとキスを落とした。 「ねぇ、イギリス。君は・・・どうしたいの?」 額をコツンと合わせて、間近で瞳を覗き込みながら囁くように尋ねる。 「俺と、どうなりたいの?」 「・・・・・・」 その質問に、答えられるはずがなかった。どうしたいのか、どうなりたいのか・・・最早俺にもわからない。ただ。 「アメリカ・・・」 「・・・何?」 水色の瞳が優しい眼差しで俺を包む。導かれるままに、思いを言葉にする。 「つら、い・・・」 「イギリス・・・」 「俺、お前のこと、好きなのに・・・もう、こんなの・・・」 「君は馬鹿だ」 「・・・・・・っ」 「自分が嵌めた枷なのに自分で外せなくなるなんて、本当に馬鹿だよ」 「・・・う、るせ・・・」 「わかったよ、もういいよ」 ぎゅっと俺の頭を腕の中に抱え込む。アメリカの温もりに包まれて何も見えなくなる。 「アメリカ・・・?」 「俺はヒーローだからね。俺がその枷外してあげる。・・・助けてあげるよ」 そう言うアメリカの声は、本当に頼もしくて・・・安心できたから。俺はそっと瞳を閉じた。 「で、俺が思うにだね」 ひとしきりアメリカの腕の中で泣いた事が恥ずかしくて顔を背けていると。いつものアホみたいに明るい声が切り出した。 「英国にロケット付けて合衆国の上にどかんと乗っけて一つの国にしちゃえば良いんだよ」 「・・・・・・」 「薔薇の咲き誇るマウントイングランド。ナイスアイディアじゃないかい?って・・・いでででででっ!!!」 「おぉ、良ーく伸びるなぁああああっ」 「ちょっと、何するんだいっ!?」 思い切り両頬を捩じり上げてやると、アメリカは涙目になって非難の声を上げる。んな提案してよくもまぁ文句が言えたもんだ。面の皮が厚いにも程がある。 「良くわかった・・・」 「何がだい?」 頬を擦りながら恨めしげに聞いてくるアメリカに、正真正銘今の俺の本音をぶちまける。 「お前なんか当てにできねぇって事がなっ!」 「何でだい、一つになっちゃえば皆ハッピーじゃないかぁ」 「お花畑はてめぇの頭の中だけにしとけ、馬鹿!!」 くっそー、やっぱりこんな奴が好きとか有り得ねぇ。ここらが潮時だろう。俺はやはり英国の為に生きるべきだ。あぁそうだ。 「それじゃ、俺と英国、どちらかしか選べないとすれば、君はどちらを偉ぶんだい?」 「もちろん、英国だ」 冷淡に言い放つ。 「・・・っ、君は、俺のことが好きなんだよね!?」 「さぁ、どうだかな」 「ちょっと、デレの時間が短過ぎやしないかいっ!?」 「知るかばーか」 言いながらも内心頭を抱える。さっきは感情に任せて流されてしまったが、良く考えれば何も解決していない。頼りになると思った自称ヒーローは、哀しいかな、頭がちょっとばかり弱い。それに・・・。 「俺はイギリスだ。英国の不利益になるようなことを、俺は選べない」 「・・・それは、俺が英国にとって不利益な存在だって言いたいのかい?」 溜息混じりに言うと、アメリカは不満げに口を尖らす。 「別にお前がどうって話じゃない。俺が・・・冷静でいられないんだ。お前は特別だから、まともな判断ができない」 「そんな、君に限って・・・」 取りなすようにアメリカは言ってくれるが、自ら省みるに自信がない。 「・・・怖いんだ、また間違えてしまうのが・・・また国の事を疎かにして、民が傷付くのが・・・。だって俺、お前のことになると何するかわからない」 「イギリス・・・」 アメリカは何やら思いを巡らせているらしく、忙しなく視線を彷徨わせる。きっと俺を解放すべく必死に考えてくれているのだろう。それを俺は、他人事のように眺める。ただ、待ってる。アメリカが何かを見つけてくれるのを。 そこでまた自己嫌悪に陥る。・・・何もかもが欺瞞だらけだ、我ながら酷過ぎる。不誠実も甚だしい・・・。 「よし、良い事思いついたぞ!」 行き止まりの思考にうんざりして、日も暮れた事だからとアメリカの為にキッチンに立って夕食の準備をしている最中、アメリカが唐突に叫んだ。 「なんだよ?」 エプロンを付けたままリビングに顔を出すと、部屋の中をうろうろ歩き回っていたアメリカは、ぴたりと足を止めて俺を真っ直ぐ見る。 「君は、英国の不利益になるようなことは選べないんだよね?」 夕食の段取りで頭をいっぱいにしていたので、一瞬理解が遅れて目を瞬かせる。 「あぁ、そうだ」 「でもって不利益っていうのは、畢竟英国民が傷付くことを指してると捉えて良いよね?」 「まぁ・・・そう、だな」 「よし、わかった」 首を傾げる俺の様子は一切顧みず、アメリカは一人悦に入りうんうんと頷いている。 「何がだ」 「君は俺と恋人になればいいんだよ!!」 ずびしっと効果音が聞こえてきそうな程勢い良く指差される。えぇと・・・。 「・・・お前、人の話聞いてたか?」 「聞いてたよ!もちろんだよ!」 「それで何故そんな結論になる・・・」 くらりと眩暈を覚え、額に手をあてて腹の底から深い溜息を吐き出す。 「だから、俺達が恋人になるってことは、合衆国と英国が仲良しってことだろ?」 「・・・あ?」 言ってる意味がさっぱり途方もなくわからない。 「仲良しってことは幸せってことさ!」 「・・・なんかそれ、こじつけじゃないか?」 「いいんだよ!石頭の君にはこじつけでも何でも!」 「い、石頭だと!?」 聞き捨てならない台詞に思わず詰め寄ると。 「そこを混ぜ返さないでよ!話が進まないだろ!?・・・えぇと、だから」 こほん、とわざとらしく咳払いを一つして。奴は言った。 「俺は君が恋人でいる間は英国も大事にするよ。英国の不利益になるようなことはしない」 「・・・恋人じゃなかったら?」 「英国の安全は保障しかねるね!!」 物凄くいい笑顔でとんでもない宣言しやがった。 「――っ!?なんだよそれ!!まるっきり脅しじゃねぇかっ!」 「そうだよ」 えへん、と胸を張るこいつの頭の中を本気で覗いてみたい。 「そ、・・・っお前、頭おかしいっ」 「なんとでも言えばいいよ。もう俺は君を逃がす気、ないからね」 そう言って腰に手を回して来るから、慌てて厚い胸板を押して距離を取る。 「ちょっ・・・ま、待てよ・・・それじゃあまりにチート過ぎるだろ!さっきまで悩んでたのは何だったんだ!」 「チートでもいいじゃないか。もう面倒臭いし」 「面倒臭くて悪かったなぁっ!」 そういう台詞は普通本人に向かって言わないでおくものだ。誰が育てたんだこの馬鹿っ!親の顔が見てみてぇ! 「まったくだよ。とにかくこれで満足かい?」 「え?」 「これで俺と付き合えるよね」 にこりと微笑んでまた距離を詰めて来る。 「待て待て待て、俺まだ頭混乱してて・・・」 片手を振り回してじりじりと後ずさるも、背が壁にとんと付く。そこにアメリカも両手を付く。気がつけば逃げ場がなくなっていた。 「待たないよ。考える必要ないだろう?英国の利益を優先するなら俺と付き合うべきだ。ヒーローの俺が君と・・・英国を護ってあげるって言ってるんだから、有り難く受け入れてよね。でなきゃ」 至近距離で見上げるアメリカは、これ以上ないくらい満面の笑顔を浮かべて言う。 「俺から君を引き離した英国に・・・どんな報復をするか、わからないよ」 黒過ぎる。こいつ腹の中真っ黒じゃねぇか。あの純真無垢だった俺の天使は一体どこへ行ってしまったんだ! 「・・・じょ、ジョークにしちゃ随分物騒だな」 「冗談だと思うかい?」 目を細めてふふっと無邪気に笑う。ははは・・・俺は乾いた笑いしか出てこねぇよ。 「あー・・・えっと・・・それで・・・」 アメリカから目を逸らした状態で必死に言葉を繋ぐも、返す言葉がない。マジでいいのか?あのチート技で。頭の中で必死に呼びかけるも、慣れ親しんだ英国からの声は一向に聞こえてこない。その代わり。 「イギリス」 耳元で名前を呼ばれる。ぞくりとして思わずぎゅっと目を瞑る。 「ねぇ、いいよね?」 「な、な、な、何が・・・」 「俺の恋人になってくれるよね?」 「・・・・・・っ」 もう限界だ。アメリカの口車に乗っただけな気もするが、これで勘弁してくれ。こいつと付き合っても英国を一番大事にするからさ。 「イギリス、返事は?」 「・・・ぃ、イエス・・・」 恥ずかしさの極限でか細い声しか出なかったけど、アメリカには届いたようで。奴は嬉しそうに笑って、俺を抱き締めて・・・でかい図体を震わせて泣き出した。俺も釣られて泣いてしまって。顔を見合わせたらお互い情けない具合になってた。でもそんな顔すら愛おしい・・・。 あぁ、ほんとに、愛し合えるって、いいな・・・。 ~Fin~ |